人はなぜ「美しい」がわかるのか (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | 人はなぜ「美しい」がわかるのか (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 橋本 治 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480059772 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
この本を読む前に「三島由紀夫とは・・・」を読んで圧倒され、以来、何度も飛ばし飛ばしだが読み返している。
で、この本は気楽に読めるだろうと思って読み進めた、いやいや、深い。私は、この本を読んで、画家ブラマンクの絵を「かっこいいよなぁ」と言っていいのだと分かった。
「きれい」ということばが男同士の会話でほぼ成り立たないのは、「きれい」なものの前に、その人は敗者宣言をしているわけで、序列と優劣でしか大方の男は同性を見ることができない現状では、「きれい」を言えない・・・ということも分かった。
そういえば、「きれいなんだよなぁ」とある花のことを言っていた、ある年上の男の同僚がいて、その人は序列・優劣で同性を見ていない人だったということも思い出した。
それにしても、これだけ平易なことばを繰り出しながら、これだけ深い思考を提示されることに改めて驚く。
で、この本は気楽に読めるだろうと思って読み進めた、いやいや、深い。私は、この本を読んで、画家ブラマンクの絵を「かっこいいよなぁ」と言っていいのだと分かった。
「きれい」ということばが男同士の会話でほぼ成り立たないのは、「きれい」なものの前に、その人は敗者宣言をしているわけで、序列と優劣でしか大方の男は同性を見ることができない現状では、「きれい」を言えない・・・ということも分かった。
そういえば、「きれいなんだよなぁ」とある花のことを言っていた、ある年上の男の同僚がいて、その人は序列・優劣で同性を見ていない人だったということも思い出した。
それにしても、これだけ平易なことばを繰り出しながら、これだけ深い思考を提示されることに改めて驚く。
本来、集大成と呼ぶのは、もっと枚数の多い分厚い本を指すものでしょうが、この本は、橋本治氏の集大成と呼べるものかもしれません。自分の直感を分析し、それに理屈を肉付けしていくという展開が橋本氏のお家芸であり、1990年以降の色々な事象をこの方法で解説し、評論、解説を行っていたものと思います。その数々の評論の根っこ、橋本氏の直感の素がこの本です。
橋本氏の価値基準が「美しい」か「美しくない」かであり、それを直接的に表現してくれた本です。だから、この本は、「89」「90」以降の著作の集大成です。根っこは、すべて「なんで美しくないの?」ですね。
それを彼の著作にしては、とってもわかりやすく、新書にしてこっそり出してる感じがとっても好きです。ハードカバーにし!なかった事が正解です。
そして、こんなところまで時代が来てると言うことの現われでもあります。どんどん剥き出しになっていきます。少しも遊びがなくて、ふざけてもない橋本氏は、この後、どうするんでしょうか。また、古典の世界の探索に戻るのでしょうか。0
橋本氏の価値基準が「美しい」か「美しくない」かであり、それを直接的に表現してくれた本です。だから、この本は、「89」「90」以降の著作の集大成です。根っこは、すべて「なんで美しくないの?」ですね。
それを彼の著作にしては、とってもわかりやすく、新書にしてこっそり出してる感じがとっても好きです。ハードカバーにし!なかった事が正解です。
そして、こんなところまで時代が来てると言うことの現われでもあります。どんどん剥き出しになっていきます。少しも遊びがなくて、ふざけてもない橋本氏は、この後、どうするんでしょうか。また、古典の世界の探索に戻るのでしょうか。0