Seven Ages: An Anthology of Poetry With Music の感想

　あまりに素晴らしいので、沢山の人にお知らせしたくて筆を取りました。最近は、日本でも朗読に関心が寄せられていますが、このカセットでは、本場イギリスの最高峰を堪能出来ます。(トーキーアウォード受賞作）出演は、サー・イアン・マッケランを中心とした、オールスターキャスト。（マイケル・ケイン、デイム・ジュディ・デンチ、レイフ・ファインズ、テレンス・スタンプ、ディビッド・スーシェ等）
　表題はシェークスピアの台詞から取られています。「この世は舞台だ。全ての男も女も役者にすぎない。出番があって、退場していく。一人の人間は、その人生で様々な役柄を演じ、七つの時代を生きる。」
この言葉に導かれて、内容は七段階に分かれています。（infant,
school,lover,soldier,wisdom,sixth-age,last scene)そして、それぞれに当てはまる新旧の名詩150選が、美しい調べに乗って届けられるのです。
　初めて聴いた時、私は病で臥せっていました。けれど、送られて来たテープを何の気なしに流していると、次第に魂が癒されるような感じを受けたのです。節回しの可笑しさに噴き出したり、魅力的な囁きを、息を殺して聴き入ったりして。本当に心のこもった、確かな表現です。不思議な話を聴いている、幸せな子供に戻れます。その秘密はチャリティーだからでしょう。慈善に尽力したダイアナ妃に献辞され、収益は子供の病院へ寄付されるのです。奉仕の気持ちで携わった人の愛が、もうひとつ上の世界へと、私たちをいざなってくれるのかもしれません。　
　ちなみに、私は英検２級程度ですが、聴き取りに不自由はありませんでした。声で綴られる音楽としても楽しめるので、たとえ意味が取れなくても面白さは変わりません。