欲望のメディア (日本の近代 猪瀬直樹著作集) の感想

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参照データ

タイトル欲望のメディア (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
発売日販売日未定
製作者猪瀬 直樹
販売元小学館
JANコード9784093942379
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 » 個人全集

購入者の感想

 毎日目にするテレビというメディア。私たちの大部分は、生まれたときから当たり前のように存在するこのメディアに何の疑問も持たずに接しています。親の言うことは疑ってかかるが、テレビの言うことなら鵜呑みにするという子供も少なくありません。
 これほど私たちの生活に深く浸透したテレビについて、自分はあまりにも無知ではないか。
 この本を手に取ったのはそんな動機からでした。
 過剰に国民の画一化を進め、一種の特殊法人のような性質さえ持つ日本のメディアの起源を求めた猪瀬氏は、1930年代にまで飛びます。
 戦時下における映像メディアの威力を早くから認め、いち早くそれをとりこもうとしたヒトラー。
 家にいながらにして遠くのものを見通す「遠視鏡」の夢を叶えようと!した高柳健次郎博士。
 戦後、アメリカのムント構想を受けて日本にテレビ放送網を作ろうとした正力松太郎。
 プロレスのテレビ中継を通して大衆の中でテレビの認知度を高め、その普及に一役買った力道山。
 放送免許を大量に下ろし、各局の新聞社の持ち株を整理させることでテレビのネットワーク化を促した田中角栄。
 現在に近づくにつれ、いかにして現在のテレビが形成されていったのかが明らかになり、同時に冒頭に挙げた疑問の解答も見えてきます。
 「ミカドの肖像」、「土地の神話」に続く「ミカド三部作」の最後を飾る本として書かれたこの本の中では、天皇とテレビ放送との関係が解きほぐされ、猪瀬氏の他の著作と同様、緻密な構成、抜群の面白さ、溢れるサービス精神を随所に見せながらも、真に教育的な本になっています。
 メディアの現実、そして私たちの生活の現実を知るための必読書と言えるでしょう。

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小学館から発売された猪瀬 直樹の欲望のメディア (日本の近代 猪瀬直樹著作集)(JAN:9784093942379)の感想と評価
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