スナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー) の感想

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参照データ

タイトルスナイパーの誇り(下) (扶桑社ミステリー)
発売日販売日未定
製作者スティーヴン・ハンター
販売元扶桑社
JANコード9784594071660
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

本作で、スティーブン・ハンターの作品を初めて読みましたが、大変面白かったです。過去作品も是非読んでみたいと思います。
 
なんといっても、圧巻だったのは、射程1,000mの狙撃シーンです。
仔細に描かれた、引き金が引かれてからの銃弾の挙動と軌道。
銃弾が、風圧を放ちながらスローモーションで目の前を横切っていったかのような感覚にとらわれるぐらいに、リアル、かつ迫力がありました。
全編を通じて仔細に記される、銃器、武器に関しての情報や描写は非常に興味深かったです。銃撃、爆撃までの、銃器を捜査する音や、発射、着弾の爆音の激しさが生々しく浮かんできて、このストーリーの迫力、リアル感を増していました。
 
もちろん、ストーリー展開も二つの大きな主軸が絶妙に絡まり、スリリングで大変良かったです。
一つ目の主軸は、第二次大戦中の独ソ戦、ナチスドイツの要人射殺の命を帯びた、美しき女性スナイパー「ミリ」の戦いです。彼女がターゲットを狙撃できるかどうか。そして、激しい戦火から生き延びることができるかどうか、独ソ戦当時の両国の国情や戦況、また、種々の戦闘部隊との攻防と絡めて、非常に激しく、緊迫感に満ちた展開です。また、戦争に家族を奪われたミリの悲運に覆われた生き様、これがスナイパーとしての使命を冷静に粛々と遂行するミリのキャラクターに強烈までの説得力を与えています。
独ソ両軍の部隊に従軍する、それぞれの登場人物について、彼らの勇猛さ、残虐さ、冷淡さ、狡猾さ、そして苦悩ぶりがしっかりと描かれており、戦記もの的な楽しみ方もできると思います。
 
二つ目の主軸は、現在における、主人公のボブ・リーと、彼の友人の女性新聞記者キャシーの活動です。彼らは、あるきっかけで、「ミリ」の独ソ戦中のスナイパーとしての活動した証跡を追うことになります。彼ら自身も、この調査に身を投じたことで、身に覚えがないまま「追われる立場」となり、追っ手からの逃亡を強いられます。彼らが事実を突き止めることができるか、また、追っ手から逃げ切り、さらには反撃を加えることができるか、時代を跨った二つの主軸が巧みに絡められていたと思います。

ミリの秘密を追うスワガー。その行く手に、刻一刻と魔の手が迫る。

一方、1944年のミリ自身は、自分のミッションを果たすべく過酷な作戦に身を投じていくが、ナチスの親衛隊と降下猟兵が

ミリを捕獲せんと動き出す。果たしてミリは無事ミッションを完遂し、生き残ることができるのか!

ストーリーは現在と過去を行き来し、二転三転しながら進んでいき興味深い。

クルスクの戦いという、第二次世界大戦屈指の大戦車戦の描写も真に迫っており、楽しく読める。

一方、アクションの方はちょっと少な目。スワガーが強すぎて、あっけなく終わってしまう点が残念。

でも、そこここに過去のスワガー作品に親しんできた人はニヤリとしてしまう演出もあります。

次回作はスワガーシリーズを完全に離れ、イギリスの有名な切り裂きジャックの話になるみたいで、2015年5月にアメリカで刊行予定みたいです。

ガンアクションが最低2年くらい読めなくなるのは非常に残念ですが、またスワガーサーガが戻ってくる日を楽しみにしています。

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