社会契約論 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル社会契約論 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者J.J. ルソー
販売元岩波書店
JANコード9784003362334
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

直訳されているのだろうけど、指示語が何を指すとか、修飾がどこにかかるかとかわからず、読みにくい。理解しずらい。ロジック的にわかりずらい。パット見たところ、光文社の新訳のほうがいいと思う。正直、機械で訳したような感じでした。活字も古くなっているのでこのシリーズは一掃して、新しくするとか、新しいシリーズにするとか、岩波文庫が権威のあるおかげで、体質が変わらないのがよくわかります。正直古いです。専門家はフランスか英語の本を読めばいい。初心者が社会契約論を耳にしたとき、しっかりと理解できる本が欲しい。

 中山元の新訳もいいが、学生時代に読んだこれを再読してみたら、個人的にはむしろこっちの方がしっくりとくることに気が付いた。桑原先生をリーダーとする京都学派による翻訳、何しろその参加者が、今にして思えば、凄い顔ぶれだったのだ。桑原武夫、前川貞次郎、河野健二、紀篤太郎、鶴見俊輔、杉之原寿一、樋口謹一、多田道太郎、溝川喜一、牧康夫、上柳克郎、恒藤武二、森口美都男、といった当時の若い学者たちによる京都大学お得意の学際的なグループ翻訳。

 1954年(昭和29年)に第一刷が出てから今まで、改訳が行われていないっていうのがすごい、いや、それだけ長年読者の支持を得てきたっていうことなのだろう。今読んでも、ジャン・ジャックのテンションの高い息吹が伝わってくる。意気がいい。気持ちいがいい。

 河野先生の解説も振るっている。なんでルソーが、百科全書派から離れることになったのか、で、なぜホッブスの契約論を取り込むことになったのか、この経緯が、実にコンパクトにまとまっている。
 「注意を払おうとしない読者にわからせる方法を、わたしは知らないのだ」とルソーが言っているように、読者のチャレンジ心を煽る本書は、今読んでも決して古くはない。

 ルソーは、人権、平等という意識を向上させたという正の面と、フランス革命の恐怖政治を生み出したという負の面を併せ持ったアンビバレントな存在です。ただし、リベラル、保守と立場によって、賛成、反対と分かれることはあっても、とりあえず必読の書であることは間違いないでしょう。
 ちなみに、この本の訳はすばらしいです。口語調の極めて自然な日本語で書かれているので、翻訳を読んでいるという気がしません。ルソーが日本語で語りかけて来るみたいです。(ルソーに関する事前知識が全くない私でも、すっと入っていけました。)
 それから、巻末の解説も充実しています。『人間不平等起源論』、『エミール』などのほかのルソーの著作と本書の関係、ルソーの思想遍歴、他の社会契約論の思想家との比較、本書の各章の説明と、必要なことはすべて網羅されている感じです。
 下手なルソーの入門書を読むよりも、まずこの本の解説を読んで、それから本文を読んだ方が、ルソーを理解する早道のような気がします。
 値段も安いし、これはかなりおすすめですね。(ルソーの本なんか読んでいたら、かっこいいし。)

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