青木繁 (新潮日本美術文庫) の感想
参照データ
タイトル | 青木繁 (新潮日本美術文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 阿部 信雄 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106015526 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
青木繁という人の絵は、
「海の幸」「自画像」と、少しの伝説もの、
くらいしか知らなかったが、
それ以上に、今年、
没後100年であることを知っておどろいた。
それで、
改めて見返したのがこの本。
鼻っ柱の強さと挫折、そして、
「外道となり果てた」青木は、
自らの才能が理解されないことによって、
つまり「夢」によって、滅ぼされたという。
28歳、まだ、ずいぶん若かったのだなあ。
「海の幸」「自画像」と、少しの伝説もの、
くらいしか知らなかったが、
それ以上に、今年、
没後100年であることを知っておどろいた。
それで、
改めて見返したのがこの本。
鼻っ柱の強さと挫折、そして、
「外道となり果てた」青木は、
自らの才能が理解されないことによって、
つまり「夢」によって、滅ぼされたという。
28歳、まだ、ずいぶん若かったのだなあ。
この本の表紙に有る女性は、青木繁(1882−1911)の恋人であり、妻と成った福田たね(1890−1918)がモデルだと言ふ。青木繁は、『海の幸』でも、恋人の福田たねの顔を描いて居るが、それらを見て私が驚く事は、明治時代の女性は、こんな表情をして居たのか、と言ふ事である。明治時代と聞くと、古めかしい、現代とは懸け離れた時代だと思ひ勝ちだが、当時の若い女性が、こんな表情をして居たのであれば、それは、私たちの時代と懸け離れた時代ではなかったのではないか?青木繁が描く恋人の表情を見ると、私は、そんな気がしてならないのである。
本書は、その青木繁の芸術と人生を廉価でコンパクトな本にまとめた名著である。若い人が、青木繁と出会ふ為に、そして、青木繁とその恋人を通じて、明治時代と言ふ時代を考える切っ掛けとして、最適の本だと思ふ。
(西岡昌紀・内科医/平成19年の晩秋に)
本書は、その青木繁の芸術と人生を廉価でコンパクトな本にまとめた名著である。若い人が、青木繁と出会ふ為に、そして、青木繁とその恋人を通じて、明治時代と言ふ時代を考える切っ掛けとして、最適の本だと思ふ。
(西岡昌紀・内科医/平成19年の晩秋に)