妄想気分 の感想
参照データ
タイトル | 妄想気分 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小川 洋子 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087813715 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
新聞、雑誌、広報誌などに掲載された著者の38のエッセイ(一番古いのは、1991年。一番新しいのは、2005年)に、10の書き下ろしエッセイを加えた一冊。
『妄想気分』というタイトルから、現実と虚構のはざまで揺らいでいるというか、思考がとんでもない方向にずれていく、そんなエッセイが多いのかなーと期待して手に取ったのですが、ひそやかではあるけれど、ごくまともなエッセイ集という感じで、その意味では物足りませんでした。
でも・・・・。
子供の頃や学生時代の記憶、忘れがたい本や人との出会い、小説を書く喜び、日々の暮らしの中でふと印象に残ったこと、これまでに産み落とした本の思い出。そうしたことを、自分の心の声に耳を澄ますように、思いを掬い上げるようにして語ってゆく文章の調べの静けさ、あたたかさ。著者の思いの数々にふれていくうちに、心がすーっと安らぐというのかな、何かほっとする気持ちに包まれていました。
こちらが勝手に思い描いていたエッセイの味わいとは違っていましたけれど、ひとときくつろげる、穏やかな気分になれるエッセイ集ではありました。
なかでは、左頁に写真、右頁に文章の組み合わせでできた書き下ろしの“写真エッセイ”に、不思議な魅力と味わいを感じましたね。次回は、小川洋子さんのそういう写真エッセイ集みたいな一冊を期待したいな。
『妄想気分』というタイトルから、現実と虚構のはざまで揺らいでいるというか、思考がとんでもない方向にずれていく、そんなエッセイが多いのかなーと期待して手に取ったのですが、ひそやかではあるけれど、ごくまともなエッセイ集という感じで、その意味では物足りませんでした。
でも・・・・。
子供の頃や学生時代の記憶、忘れがたい本や人との出会い、小説を書く喜び、日々の暮らしの中でふと印象に残ったこと、これまでに産み落とした本の思い出。そうしたことを、自分の心の声に耳を澄ますように、思いを掬い上げるようにして語ってゆく文章の調べの静けさ、あたたかさ。著者の思いの数々にふれていくうちに、心がすーっと安らぐというのかな、何かほっとする気持ちに包まれていました。
こちらが勝手に思い描いていたエッセイの味わいとは違っていましたけれど、ひとときくつろげる、穏やかな気分になれるエッセイ集ではありました。
なかでは、左頁に写真、右頁に文章の組み合わせでできた書き下ろしの“写真エッセイ”に、不思議な魅力と味わいを感じましたね。次回は、小川洋子さんのそういう写真エッセイ集みたいな一冊を期待したいな。