河合隼雄の「幸福論」 の感想

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参照データ

タイトル河合隼雄の「幸福論」
発売日2014-11-07
製作者河合 隼雄
販売元PHP研究所
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

河合隼雄で、養老孟司の「帯び」なら、買うしかありません。

しかしながら、あれっ? どっかで読んだことあるな〜と思っていると、
数ページ目に「復刊」だと書かれております。

そう。 この本は「しあわせ眼鏡」の復刊でした。
「しあわせ眼鏡」なら持ってます。

題名だけ変えるというのは、出版社の金勘定(図書館対策)以外に、どんなメリットがあるのか?
昨今は現物確認しないネットだからって、PHPやらしいよ。

目くらましに、養老まで利用して!
後ろめたいPHPの売り方に、星1つ以下。

※2014年10月21日時点で、アマゾンはおろか、PHPのHPにも「復刊」の「フ」の字もありません

この本の中で、著者の考える幸福論は書かれているが、決して断定はしない。彼の考え方を示したうえで、読者に問いかけをする。
断定することは、ものの見方の幅を狭めてしまうからである。

同じ物事であっても、どう考えるかは、その人次第。
本書はものの見方の角度を少しだけ変える、そのヒントが満載で、何度も溜飲の下がる思いをした。

自分の中で、特に心に残った文章を2つばかり引用したい。

・「なぜ、私だけが不幸なのか」という問いは、個性発見への切り口を提供している。
神から与えられた不平等と、人間の平等への努力がぶち当たって、散った火花のなかに、その人だけと言える個性が輝くのではないだろうか。

・幸福の絶頂にあるようなときでも、それに対して深い悲しみ、という支えがなかったら、それは浅薄なものになってしまう。

人生において避けては通れない「なぜ、私だけが?」といった理不尽な不幸や、深い悲しみも、それは無駄なことではなく、幸福になるために必要不可欠な要素なのだと思うと、心がスッと軽くなる思いがした。

最近、仕事と子育てに疲れていた自分にとって、
まさにぴったりの本でした。
幸せとは何か、ゆっくりと考えるきっかけになりました。
この本を読んだ後は、きっと今までとものの見方、考え方が変わっていると思います。

心があたたまる話が本当に多く収められており、
今後また何度となく読み返すことになると思います。

絶対におススメできる本です。

以下に私がこの本を読んで参考になった部分を
引用してご紹介します。

・現代人の生き方の難しいところは、時間に従って生きながら、
 それに縛られたり、追いかけられたりしない、ということであろう。
 その対策のひとつとして、時には「時間を忘れ」たり
 「時間にこだわらない」生き方をする「時」をうまく確保することであろう

・棒を振りまわしているうちに、大切な壺をたたき落としてしまった。
 蜂蜜が床に流れ出すのを見て、ハインツが言った。
 「壺がおれの頭の上へ落っこちなかったのはしあわせだよ。
 何事も運とあきらめなけりゃいけないもんだ」。
 そしてかけらのなかに、少し蜂蜜があるのを見て、ほくほくして、トリイネに
 「この残りかすを、お前、二人でごちそうになろうや。
 それから、びっくりしたから、しばらくゆっくり休むとしよう」

・「満ち足りる」というときに、すぐわれわれが考えるのは、
 何か手に入れることの方だが、むしろ、
 何も持たない者こそ満ち足りていることを示す点が心憎い

・「子どもの幸福」の一番大切なことは、
 子ども自身がそれを獲得するものだ、ということである

・人生のなかで「我を忘れる」体験を一度もしない人は
 不幸な人だと思う。
 自分という全存在を何かに賭けてみる。
 そのことによってこそ、自分が生きたと言えるのではないだろうか

・「すべてなかったことにする」とは、要するにゴミ扱いすることではないのか。

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