つらつらわらじ(4) の感想
参照データ
タイトル | つらつらわらじ(4) |
発売日 | 2012-11-12 |
製作者 | オノ・ナツメ |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL |
購入者の感想
武家物/時代物と云えば、合戦やチャンバラ、もしくは
捕物帖あたりがポピュラーであろうか。しかしこの物語は
なんと今のところ全編、地味な参勤交代を中心に進行している。
絵柄・-ストーリー構成の独特な癖から、一回ざっと読み通しただけでは、
誰が誰なのやら、道中いったい何が起きているのかさっぱり分からない。
しかしそれぞれの立場に応じた登場人物たちのスタンスと
そこからくる「語られない」本音が推測できれば、
読み返せば読み返す度に新たな発見があり、
スルメのように味わい深い、とてつもない傑作である。
ストーリーの軸は退屈な、官僚化してしまった武士の陰鬱な政治劇である。
マンガと侮ることなかれ、表舞台の一つ後ろで繰り広げられる攻防と
それを描写する鮮やかな手腕は、凡百の時代小説とは一線を画している。
歴史資料の丹念な読み込み、それに基づくしっかりとした世界観・
ドライな人間描写・綿密に張られた伏線・スタイリッシュな視点と
ウイットに富んだユーモア、どれを採り上げても一級品である。
第4巻である本書では、前巻まであったどんでん返しのような展開は無く
粛々とストーリーが先に進んでいく。エネルギーが溜まった次巻に期待が高まる。
捕物帖あたりがポピュラーであろうか。しかしこの物語は
なんと今のところ全編、地味な参勤交代を中心に進行している。
絵柄・-ストーリー構成の独特な癖から、一回ざっと読み通しただけでは、
誰が誰なのやら、道中いったい何が起きているのかさっぱり分からない。
しかしそれぞれの立場に応じた登場人物たちのスタンスと
そこからくる「語られない」本音が推測できれば、
読み返せば読み返す度に新たな発見があり、
スルメのように味わい深い、とてつもない傑作である。
ストーリーの軸は退屈な、官僚化してしまった武士の陰鬱な政治劇である。
マンガと侮ることなかれ、表舞台の一つ後ろで繰り広げられる攻防と
それを描写する鮮やかな手腕は、凡百の時代小説とは一線を画している。
歴史資料の丹念な読み込み、それに基づくしっかりとした世界観・
ドライな人間描写・綿密に張られた伏線・スタイリッシュな視点と
ウイットに富んだユーモア、どれを採り上げても一級品である。
第4巻である本書では、前巻まであったどんでん返しのような展開は無く
粛々とストーリーが先に進んでいく。エネルギーが溜まった次巻に期待が高まる。