幸せになる明晰夢の見方 の感想

タイトルの「幸せになる」という部分は後付け感がぷんぷん漂うなぁ、と思っていましたら、やはり原題とは違うようで、昨今のスピリチュアルブームにあやかろうとした狙いを感じますが、別に幸せになる云々は置いておいても、私達が人生において半分(とまではいかない？私は寝てばかりいるので割合が大きくなってしまいますが)近くは身をおいている睡眠時間の、さらには夢の世界での過ごし方をどうしたらもっと楽しめるか？ということに積極的に挑戦するための指南書、と言えるでしょう。

そういった点から言うと「幸せになる」というよりは「一日の半分をもうちょっと楽しむ」ぐらいの気分で、肩の力を抜いたレクリエーションのように思うとちょうよいのではないでしょうか。

本は段階を経てより夢の世界における自由度を増すようにエクササイズや心構えが紹介されていきます。
しかしそのイチイチを真面目にやっていない私でも、読んだ二日後には一瞬だけ夢のなかで
「あ、これ夢だ」
と明晰状態になれて感動しました。
明晰夢というものがある、と知ることだけでも効果はあるのだ、と本のなかでも書かれてありますがその通りでした。

ともかく、夢見の本はこの本しか読んだことがないので何とも他との比較は出来ませんが、なるべく読者に寄り添って明晰夢への関心をその都度掘り起こそうとしてくれるコーチのようなスタンスの本なので読んでいてストレスフリーですし、明晰夢自体への気負いも軽くしてくれます。

夢の世界を積極的に楽しむ、という新たな視点を得られただけでも日々の楽しみが、そして意識の世界が格段に拡がったような感じです。