カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌 の感想
参照データ
タイトル | カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | アラン・アトキソン |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569632148 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
カサンドラというのはトロイ王朝最後の王女の名前で、自分の国がトロイの木馬によって滅ぼされるのを予見する力を持ちながら、誰にも予言を信じてもらえないという呪いをかけられた悲劇の主人公。
国の破滅を警告しても、メッセージが人々に信じてもらえなければ破局に至り、人々がメッセージを信じて破滅が回避されれば結果的に予言が外れたことで嘘つき呼ばわりされる。これがカサンドラのジレンマである。
「地球の危機、希望の歌」と副題にある通り、本書は地球環境の危機的状況を認識しつつ、嘘つきという非難を受けずに破滅を回避させる警告を発するにはどうすれば良いか、という命題を読者と共に考えようとする。
地球環境に警告を発した先駆者として、ローマクラブの『成長の限界』やレイチェル・カーソン『沈黙の春』が挙げられる。また、警告を発し続けることの難しさの実例として、環境問題に目覚めたゴア上院議員が副大統領となってからは(地球温暖化防止京都会議などで)地球環境を悪化させる方向に手を貸しまったというエピソードを示す。
危機的状況を前にして決して絶望するのではなく、必ず持続可能な環境は構築できる、という筆者の強い確信が伝わって来る。パンドラの函を明けた時、最後に希望が残ったのだ。
国の破滅を警告しても、メッセージが人々に信じてもらえなければ破局に至り、人々がメッセージを信じて破滅が回避されれば結果的に予言が外れたことで嘘つき呼ばわりされる。これがカサンドラのジレンマである。
「地球の危機、希望の歌」と副題にある通り、本書は地球環境の危機的状況を認識しつつ、嘘つきという非難を受けずに破滅を回避させる警告を発するにはどうすれば良いか、という命題を読者と共に考えようとする。
地球環境に警告を発した先駆者として、ローマクラブの『成長の限界』やレイチェル・カーソン『沈黙の春』が挙げられる。また、警告を発し続けることの難しさの実例として、環境問題に目覚めたゴア上院議員が副大統領となってからは(地球温暖化防止京都会議などで)地球環境を悪化させる方向に手を貸しまったというエピソードを示す。
危機的状況を前にして決して絶望するのではなく、必ず持続可能な環境は構築できる、という筆者の強い確信が伝わって来る。パンドラの函を明けた時、最後に希望が残ったのだ。