上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? の感想
参照データ
タイトル | 上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? |
発売日 | 2013-02-20 |
製作者 | 上野千鶴子 |
販売元 | 朝日新聞出版 |
JANコード | 9784022510587 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
認知症の母をひとりで在宅で介護中です。母を在宅で看取りたいと思っています。介護離職は絶対にしないという点をぶれさせずに、症状が進むにつれ利用する介護サービスを見直して仕事を続けながら対応してきました。同時に私自身おひとりさまであり、母の介護をしながら自分自身の老後についても考えてきました。在宅死についての本を数冊読み、上野さんの本は「上野先生、勝手に死なれちゃ困ります」「老いる準備」と読んできて、近々きっと在宅おひとりさま死についての本も出してくださるだろうと思っていたので、この本は待っていた本が出たという感じです。Q&A方式で、これからこういうことについて知りたい、考えていきたいという人にとってはわかりやすく、参考になる本ではないかと思います。在宅死については、多くががん末期の在宅ホスピスを例として書かれているものがほとんどで、それ以外の疾患や認知症での例はなかなか読む事ができません。また、がん以外のそうした疾患での在宅となると、それを支える在宅医療を担う医師の不足という問題は大きく、それに加えて「病院や施設にいるほうが安心」という漠然としたイメージの根強さは、最後まで在宅で過ごさせたい、過ごしたいという願いがあっても、それをなかなかすんなりとはかなえさせてくれないのが現状だと思います。なのでこの本はまだ「入り口」なのだろうと思いますが、ここから「どんな病気になっても、体が不自由になっても、自分の家で暮らしたい」という願いを個人が持つのであれば、それは当然の権利であるという考えが、認められる社会になっていってくれることを願います。