分類思考の世界 (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 分類思考の世界 (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 三中 信宏 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062880145 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学 |
購入者の感想
分類なんてオモロない、と多くの人は思うだろう。ところが、どっこい、分類は奥が深いよ、それどころか、分類せずにはいられない人間の「業」まで見えてくるよ、ということを教えてくれる本。良くも悪くも、著者のキャラが全編にでて、決して読みやすい本ではないが、著者の博学ぶり、哲学好き(生物学者でこんなに哲学に詳しい人はなかなかみつからない)、そしてアカデミックな誠実さ(文献表、索引に注意!)が伝わってきて、新書としては異色の本だ。ちょっとゴチャゴチャ書きすぎなので☆を一つ値引きしたが、「分類される物」ばかりに目を向けないで、「分類する者」がどのような認知バイアスを持ってきたか、もっと考えるべきだという著者のメッセージはよくわかる。生物学の哲学に関心のある人には、買って損はないどころか、必読書にしてもいいくらいの本だ。