アルベニス:イベリア 全曲 の感想
参照データ
タイトル | アルベニス:イベリア 全曲 |
発売日 | 2003-10-22 |
アーティスト | ラローチャ(アリシア・デ) |
販売元 | ユニバーサル ミュージック クラシック |
JANコード | 4988005344991 |
Disc 1 : | 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 エボカシオン (喚起) 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 港 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 セビーリャの聖体祭 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 ロンデーニャ 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 アルメリア 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 トリアーナ 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 アルバイシン 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 ポーロ 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 ラパピエス |
Disc 2 : | 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 マラガ 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 ヘレス 組曲 ≪イベリア≫ 全曲 エリターニャ ナバーラ スペインの歌 作品232 前奏曲 スペインの歌 作品232 オリエンタル スペインの歌 作品232 やしの木陰 スペインの歌 作品232 コルドバ スペインの歌 作品232 セギディーリャ ソナタ ト短調 ソナタ ニ長調 バレンシアーナ (カレセーラ) ― ≪スペイン舞曲集≫ 作品37の7 アンダルーサ (プライェーラ) ― ≪スペイン舞曲集≫ 作品37の5 サクロ・モンテ ― ≪5つのジプシー舞曲≫ 作品55の5 サパテアード ― ≪3つのアンダルシア舞曲≫ 作品8の3 |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 室内楽・器楽曲 |
購入者の感想
アルベニスのイベリアは、本当に難しい曲集である。楽譜に向かうと、人間では演奏不可能と思うくらい面食らう。
ラヴェル「夜のガスパール」やラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、リゲティのエチュードなどといった、いわゆる難曲がどちらかというとリストによって開拓されたテクニックを想像可能な範囲でより難しくしてみた、という感じである一方で、イベリアの場合は、天から全く降ってわいたような特殊技巧を要する。登場する美しく精緻な和声の数々も、全くお目にかかることのないような音の組み合わせばかりである。
ラローチャはこうした曲を本当の共感を持って弾き抜いている。もはやあえて賛辞を述べる必要がないほどの名盤なのだが、技巧的課題を完璧に克服したうえでの、文字通り身体から湧き出るリズムと音楽が聴かれる。
若い頃のEMIへのイベリア録音は、確かにこのデッカ録音よりも活気に満ちたリズムで、技巧面の切れ味もより鋭いが、たとえばエル・アルバイシンやエル・ポーロといったスペイン的叙情性とでも言うべき要素が強い曲におけるラローチャの解釈は明らかに深みを増しているし、デッカによる録音はそうした深みのある響きをずっとよく捉えている。
ラヴェル「夜のガスパール」やラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、リゲティのエチュードなどといった、いわゆる難曲がどちらかというとリストによって開拓されたテクニックを想像可能な範囲でより難しくしてみた、という感じである一方で、イベリアの場合は、天から全く降ってわいたような特殊技巧を要する。登場する美しく精緻な和声の数々も、全くお目にかかることのないような音の組み合わせばかりである。
ラローチャはこうした曲を本当の共感を持って弾き抜いている。もはやあえて賛辞を述べる必要がないほどの名盤なのだが、技巧的課題を完璧に克服したうえでの、文字通り身体から湧き出るリズムと音楽が聴かれる。
若い頃のEMIへのイベリア録音は、確かにこのデッカ録音よりも活気に満ちたリズムで、技巧面の切れ味もより鋭いが、たとえばエル・アルバイシンやエル・ポーロといったスペイン的叙情性とでも言うべき要素が強い曲におけるラローチャの解釈は明らかに深みを増しているし、デッカによる録音はそうした深みのある響きをずっとよく捉えている。