伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本 の感想
参照データ
タイトル | 伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 浜田 宏一 |
販売元 | 東洋経済新報社 |
JANコード | 9784492395332 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
本書は伝説の経済学教授は浜田氏と経済学者若田部氏、勝間氏による
現在の日本経済に対する対談本です。
デフレの問題にフォーカスし、特に日銀の政策について問題分析、批判を行っています。
浜田氏は日銀総裁白川氏の指導者であり、白川氏をよく知る人物。
それだけに本書は非常に面白くなっています。
対談ということもあり、読みやすいですが内容はやっぱりちょっと難しいです。
でも、日本経済の問題点を知るうえで非常におすすめの本。
ただ、本書でちょっと勝間氏を持ち上げてすぎているのが気になりました。
現在の日本経済に対する対談本です。
デフレの問題にフォーカスし、特に日銀の政策について問題分析、批判を行っています。
浜田氏は日銀総裁白川氏の指導者であり、白川氏をよく知る人物。
それだけに本書は非常に面白くなっています。
対談ということもあり、読みやすいですが内容はやっぱりちょっと難しいです。
でも、日本経済の問題点を知るうえで非常におすすめの本。
ただ、本書でちょっと勝間氏を持ち上げてすぎているのが気になりました。
伝説の教授の話を聞いていると経済学がわからなくなってくる。へんな本だ。
この本の冒頭には、白川前日銀総裁への公開書簡が掲載されています。周囲から「公に批判する前に直接意見するべき」と忠告されたにも拘わらず、浜田氏は「失礼」を自覚したうえで公に批判したのです。
書簡では、使える薬を与えないで日銀が国民と産業界を苦しめている、とか、忘れた歌を思い出してください、とか、研究室に50年もこもっているとこれだけ礼儀知らずになれるのかと驚かされました。
浜田氏が白川前総裁を批判する時に、「日銀理論に染まってしまった」とよく仰るのですが、それは新古典派経済学があまりに実務とかけ離れているからではないでしょうか?おそらく浜田氏は、現実とかけ離れたシンプル経済モデルで日銀の実務をこなせるとお考えなのでしょう。
この本の中では、「デフレ時代の生活防衛術」というコラムも掲載されていますが、そのなかで「究極の節約法はタバコ、酒をやめること」などと経済学者でなくても真っ先に思いつくようなことをわざわざ教えてくださっています。貧乏人がデフレでも生き残るすべを研究しておられるのでしょうか?
2012年12月5日には浜田先生はこのように仰っていました。
「白川方明総裁の後任が今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できる」
「日銀が2、3%のインフレ目標を設定すべき」
ところが時が経つにつれて言うことがおかしくなってきました。
2014年3月14日
「アベノミクスが本当にはうまくいっていない」
「物価をどうして2%にしなければいけないのか、全く分からない」
2014年9月6日
「金融政策の限界が見えた」
「構造改革に軸足を移す時だ」
今の日本はデフレなのですから、セイ法則に依拠する新古典派経済学ではデフレ脱却はできないのです。
書簡では、使える薬を与えないで日銀が国民と産業界を苦しめている、とか、忘れた歌を思い出してください、とか、研究室に50年もこもっているとこれだけ礼儀知らずになれるのかと驚かされました。
浜田氏が白川前総裁を批判する時に、「日銀理論に染まってしまった」とよく仰るのですが、それは新古典派経済学があまりに実務とかけ離れているからではないでしょうか?おそらく浜田氏は、現実とかけ離れたシンプル経済モデルで日銀の実務をこなせるとお考えなのでしょう。
この本の中では、「デフレ時代の生活防衛術」というコラムも掲載されていますが、そのなかで「究極の節約法はタバコ、酒をやめること」などと経済学者でなくても真っ先に思いつくようなことをわざわざ教えてくださっています。貧乏人がデフレでも生き残るすべを研究しておられるのでしょうか?
2012年12月5日には浜田先生はこのように仰っていました。
「白川方明総裁の後任が今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できる」
「日銀が2、3%のインフレ目標を設定すべき」
ところが時が経つにつれて言うことがおかしくなってきました。
2014年3月14日
「アベノミクスが本当にはうまくいっていない」
「物価をどうして2%にしなければいけないのか、全く分からない」
2014年9月6日
「金融政策の限界が見えた」
「構造改革に軸足を移す時だ」
今の日本はデフレなのですから、セイ法則に依拠する新古典派経済学ではデフレ脱却はできないのです。
2010年の日本では出口の見えない景況感の悪化の中で、数多の経済政策・金融政策の有効性についての議論が盛んですが、経済学の基礎を知りたい方や日銀の機能について復習したいう方にとっては、読みやすい講義形式の本であり、良書だと思います。また若田部教授が歴史的文脈の中で事象についてコメントされている点も良いです。一方で反デフレ、リフレの議論について知識のある方にとっては目新しい部分は少なく、特筆するならば、白川日銀総裁に対して公開書簡の形で浜田教授が自説を披露されているので、知識の整理には有用です。一方で本書に関心がある読者セグメントは勝間氏を敬遠する気がしますが、毛嫌いせずに読むとなかなか良い「講義録」だと思います。