西洋陶磁入門―カラー版 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル西洋陶磁入門―カラー版 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者大平 雅巳
販売元岩波書店
JANコード9784004311171
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 彫刻・工芸 » 陶芸

購入者の感想

本書は西洋陶磁史家の大平雅巳氏によって書かれ、新書の形態をとっていますが、西洋陶磁のまさしく啓蒙書にあたります。上質の紙に一部の写真を除いてオールカラーで美しい歴史的価値を持つ陶磁器の数々が掲載されています。

洋の東西を問わず、陶磁器の美しい姿は多くの王侯貴族に愛されてきました。本書は、そのような西洋陶磁の中から16の作品を選びそれを中心にその時代の他の陶磁器についても言及し、それぞれ時代・地域別に陶磁器の変遷を紹介したものです。

第1話に書かれている2500年程以前に作成された古代のギリシア陶器は、美術館で時折鑑賞することがありますが、美しい絵柄は時代を越えて迫ってくるものがあります。
第11話でのフェルメールの活躍したデルフトもまた陶器で有名なところで、鮮やかな藍彩は、中国風でありながらオランダの意匠が感じられます。

ドイツのマイセン磁器を筆頭に挙げなくてはいけません。白磁の美しさは筆舌に尽くしがたくその繊細で可憐な絵付けもまた多くの貴族を魅了したものでしょう。柿右衛門風とでもいいますか、花鳥風月の図案がまた高貴な香りを齎しています。第13話に取り上げられています。

第15話のフランスのセーヴル磁器は、ポンパドゥール夫人が愛したことにより発展しました。フランス王家の富の象徴とでも言うべきセーヴルの磁器の華やかなデザインは、18世紀の爛熟した文化を表わしており、豪華な装飾や色もまたシノワーズ趣味を上手くヨーロッパに取り入れて成功した例でしょう。

陶磁器の絢爛豪華なカラー写真を眺めているだけで気分が良くなりました。華やかで煌びやかな陶磁器の光沢は時代を越えて迫ってくるものがあります。その美しさが如実に伝わってくるようで、ヨーロッパ陶磁の入門書として最適でしょう。

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岩波書店から発売された大平 雅巳の西洋陶磁入門―カラー版 (岩波新書)(JAN:9784004311171)の感想と評価
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