複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦 の感想
参照データ
タイトル | 複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ドナルド・ノーマン |
販売元 | 新曜社 |
JANコード | 9784788512474 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
『複雑さと共に暮らす(Living with Complexity)』の原書は,出版社やタイトルの関係で発行されるまでに時間がかかった。元々のタイトルは,「訳者あとがき」にあるとおり,「社交的デザイン(Sociable Design)」だった(ただし,Don Normanの言う"Sociable Design"とは,「付き合いやすい」デザイン(設計)の意味だと思う)。
『誰のためのデザイン?(The Psychology of Everyday Things)』の日本語版への序文でNormanは,「私たちのまわりは,暮らしを過ごしやすく,より楽しいものにしてくれるたくさんの工業製品であふれています。……ところが,その多くが私たちの暮らしのいらいらの種となっているようです。暮らしは,過ごしやすくなるどころか,難しくなっています。あなたの暮らしは必要以上に複雑なものとなっていませんか」と書いている。ユーザー・インタフェースの世界では,この書物を一つの契機として,デザインは操作が「簡単(simple)」であること,とされてきた。
しかし,科学技術の進展から機器に「複雑性」が伴うのは当然の成り行きである。しかも,ユーザーにとって最初は複雑でわかりづらいと思われる機器の中にも,慣れるにしたがって使用に何の困難も感じなくなるというものがあるはずだ。このような観点から著者は,問題は「複雑性」ではなく「わかりにくさと,その結果生まれる矛盾」にあるのではないかと考えた。つまり,デザインは「やたらと込み入った(complicated)」り,「人を戸惑わせた(confused)」りしてはならないが,「複雑(complex)」になるのは,ある意味,当然であり必然であるということである。
『誰のためのデザイン?』でNormanは,ユーザー・インタフェースにおいてJ. J
『誰のためのデザイン?(The Psychology of Everyday Things)』の日本語版への序文でNormanは,「私たちのまわりは,暮らしを過ごしやすく,より楽しいものにしてくれるたくさんの工業製品であふれています。……ところが,その多くが私たちの暮らしのいらいらの種となっているようです。暮らしは,過ごしやすくなるどころか,難しくなっています。あなたの暮らしは必要以上に複雑なものとなっていませんか」と書いている。ユーザー・インタフェースの世界では,この書物を一つの契機として,デザインは操作が「簡単(simple)」であること,とされてきた。
しかし,科学技術の進展から機器に「複雑性」が伴うのは当然の成り行きである。しかも,ユーザーにとって最初は複雑でわかりづらいと思われる機器の中にも,慣れるにしたがって使用に何の困難も感じなくなるというものがあるはずだ。このような観点から著者は,問題は「複雑性」ではなく「わかりにくさと,その結果生まれる矛盾」にあるのではないかと考えた。つまり,デザインは「やたらと込み入った(complicated)」り,「人を戸惑わせた(confused)」りしてはならないが,「複雑(complex)」になるのは,ある意味,当然であり必然であるということである。
『誰のためのデザイン?』でNormanは,ユーザー・インタフェースにおいてJ. J