この世で一番おもしろい統計学――誰も「データ」でダマされなくなるかもしれない16講+α の感想

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タイトルこの世で一番おもしろい統計学――誰も「データ」でダマされなくなるかもしれない16講+α
発売日販売日未定
製作者アラン・ダブニー
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478026052
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 確率・統計

購入者の感想

教科書で1ページ分の内容を5ページくらいかけて漫画で説明している。
ただし、教科書だと理解に1時間かかる内容が、10分で理解できる。
とっかかりの1冊としてはとても良い。

本書は、マンガ経済学(「この世で一番おもしろいミクロ経済学」「この世で一番おもしろいマクロ経済学」)の統計学版です。
訳者の解説にあるとおり、本書の特徴はマンガであること、、、だけではありません。
(特に、日本ではマンガ仕立ての統計入門書は「マンガでわかる統計学」を始めとして数多くありますし)

思い切って、統計学の根底にポイントを絞っていることが、類書に比べた本書の特徴です。

> 標本を見て母集団について何か言うのが統計学だ、という基本路線を立てたら、あとはまったくぶれない。
> 標本と、無作為抽出について説明したら、ヒストグラムの作り方を説明する。標本数も、サンプリング理論に深入りせずに、
> 30あればいいよ、とあっさり投げ出す。そしてその後、類書では見られない巧妙な手口として、
> 中心極限定理をさっさと持ち出して(それもブラックボックスとして)、すべて正規分布に落とし込む。

> 標本を元にどう信頼区間が設定できるのか、そしてそれをもとにどう仮説検定が行われるのか ―― 統計学の根底はそこにある。

訳者の、この解説が明確に本書の位置づけを示しています。
統計学の教科書を読んで、実用的な話に入る前の理論的な話をくどくど説明されて脱落するというのはよくある話。
だから、統計学の教科書はよく分からない本の代名詞みたいな扱いをされることも多いのですけれども、本書はそうなることをうまく回避しています。
統計学を学ぶための入門以前の一冊目として、おすすめします。

訳者の説明では「大枠での考え方をつかもう。本書はそれだけに特化する。説明1行ですませるところを、5ページかけるところが本書のよさなのだ。」「これまでに挫折した人も、これから学ぶ人も、この本で統計学者の考え方を学べば、ビッグデータ時代に役立つ統計学という武器を手にできる」とされています。 でも武器を手にできると言うよりは、他人の武器に驚かず、煙に巻かれず話しについて行くことはできそうです。統計学を使えば日常世界ではっきりしないことが一目瞭然になるのではないかとの錯覚を多くの人が持つのではないでしょうか。統計学を利用して事業に成功するといった話が巷を席巻すると、統計学で分析の結果、これまで見えなかった、何か確実なものを見つけ出す手段であるように思ってしまいます。この本の良い点は、私のような統計学リテラシーの低い俗人にも、統計学が確信をもたらすものではなく、あくまでも次善の策であり、どうなるか分からない仮定値でしかないことを体感させてくれます。大学で統計学の授業を受けて卒業すれば、頭の中に残っている筈の(ほとんどは残っていませんけど)下線を引いた重要事項だけを、手の込んだ豊富なコミックスタイルのイラストを用いて、軽妙に話しかけて下さいます。 28ページには、「標本を使っても母集団について絶対に確実なことは分からない。だから統計は最高の推定をするためのものだ。つまり、確信するためのものじゃない」。29ページに、「標本が一群しかないなら、それがきちんと集めた標本か確かめよう。標本集めで間違えたら、母集団についての結論も台無しだ」。85ページには、「標本の性質を統計量といい、母集団の性質をパラメータという」。次の86ページには「統計量は実際に計算できて確実に分かるもので、パラメータは知りたくても推測するしかないものだ。幸運なことにパラメータは直接計れなくても、統計を使えばそれが探せるんだ」。87ページには「無作為標本一つから得られる統計量を使って、その標本が出てきた母集団の平均を探そう」。112ページには、「確率は長期的なことにしか当てはまらない」。次ページに「最後に、定義からして確率は無作為の事象にしか当てはまらない」。などの文章が書かれています。簡単ですが、力強い文章で満たされていて、何年も経ってから当時の理解を呼び覚ますのには快適な一冊と思います。

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