宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか の感想

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参照データ

タイトル宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか
発売日販売日未定
製作者ロジャー ペンローズ
販売元新潮社
JANコード9784105065911
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般

購入者の感想

難解な問題をかなり丁寧に解説してある。
今まで読んだこの種の本のなかでこの本が一番わかりやすかった。
本の状態も良く、満足してます。

数理物理学の天才(異才)ペンローズの画期的宇宙論。邦題は著者の意図を汲んで説明し過ぎている感があるが、原題(=Cycles of Time)が示す通り、本著のキーワードは「時間」、「循環」及び「共形=conformal」であって、著者は「共形サイクリック宇宙論」という宇宙論を展開しているのである。熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)とアインシュタインの一般相対性理論の普遍性(絶対的正当性)を基礎として興味溢れる理論を披歴している。武器は著者の元々の専攻である数学の一分野である位相幾何を中心とした幾何学である。

現在、宇宙が膨張し続けている事は周知の事実であるが、この先どうなるかについては次の3つが考えられる(NHKのハーバード大講座でも同様のテーマを採り上げていた)。
(1) このまま膨張し続ける。
(2) ある時点で膨張が止まり、ある種の定常状態になる。
(3) ある時点で収縮に反転し、ビッグクランチが起きる。

著者はこれに対する解を提唱しているのである。まず準備として、位相空間を導入する事によって「エントロピーとは何か ?」をトコトン詳説する。次いで、ビッグバン時における「エントロピー」の次の矛盾を指摘する。
(a) インフレーション理論が正しければ「エントロピー=小」の筈。
(b) 宇宙マイクロ波背景放射の観測値からは「エントロピー=大」の筈。

著者は「インフレーション理論」を信用せず(あるいは相手にせず)、「熱力学の第二法則」を守り、ビッグバンの特異点を解決する上述の宇宙論を提唱しているのである(その名称から内容はある程度類推可能だと思う)。まさしく翔んだビックリの理論ではあるが、流石にペンローズだけに魅惑的である。私の知見では難解過ぎる議論も多かったが、宇宙論に興味を持っている方にとって必読とも言える優れた書だと思う。

excitingな内容だったが、非常に難解。ペンローズが理解している背景を、読者も理解している前提で書かれているので、一般人には、論理の飛躍に見えるところが多い。ただし、ワイル共形テンソルとアインシュタインテンソルと重力レンズの話が書かれている部分は、とても分かりやすく、短いスペースに本質的な示唆が読み取れる。ペンローズの他の著書でも、同じように、一つの図で、とても意味が深い内容を、一行でさらっとかかれている個所もあったので、それを思うと、全ページが深い示唆を持った、行間を読むべき書かと思われる。

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新潮社から発売されたロジャー ペンローズの宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか(JAN:9784105065911)の感想と評価
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