やってくれるね、ロシア人!―不思議ワールドとのつきあい方 の感想
参照データ
タイトル | やってくれるね、ロシア人!―不思議ワールドとのつきあい方 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 亀山 哲郎 |
販売元 | 日本放送出版協会 |
JANコード | 9784140350836 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
モスクワ、サンクトペテルブルクからイルクーツク、ヤクーツクなどのシベリア、さらにはアゼルバイジャンとロシア各地を訪れています。なかでもソルジェニーツィンの『収容所群島』の舞台ともなったというソロヴェツキー諸島については特に思い入れが深いようです。ここはスターリン時代の最も悪名の高い収容所で、『長い旅の記録』の著者寺島儀蔵氏も一時収監されていた場所。また写真家である著者自身『北極圏のアウシュビッツ』という写真集を刊行しています。内容としてはロシア旅行記あると同時にロシア人論でもあり、といってもそんなお堅い話ではまったくなくて、日本人とはまったく正反対のロシア人の国民性、生態をユーモラスに描いています。第二章のタイトル「すべてが気分次第のお国柄」がロシアおよびロシア人を一言で言い切っているようで、面白い。
ロシアに関する本はいろいろ手にしましたが、最近の本の中でも特にすっぽりとはまった本でした。文筆業は専門でないにもかかわらず、亀山さんならではの生き生きとした文章表現はまったくもって見事というしかありません。それでいて飾らない性格ですから、私は非常に気に入ってしまいました。ロシアの一人旅は不便極まるもので日本人の感覚ではつい不満たらたらとなってしまうところですが、この本を手にすればまったく違う見方もできるんだなと、改めて感心する次第です。気持ちの持ち様で旅の印象ってこんなにも変わるものなんですね。さっそく来年、訪ロしたくなりました。