日本の宗教 本当は何がすごいのか の感想

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タイトル日本の宗教 本当は何がすごいのか
発売日販売日未定
製作者田中 英道
販売元扶桑社
JANコード9784594071295
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門

購入者の感想

日本人は、よくいわれるように、クリスマスを祝い、除夜の鐘をきき、初詣をするという、まるで無宗教のような振舞をしているが、著者によると、実を言えばそのような既成に宗教を越えた、確固たる信仰がある、という。それは神道とよばれる「自然道」だという。それは「古事記」の最初の言葉、「そもそも、混沌とした天地万物の根源はすでにまとまった」という記述が、神々が生まれる前に、「天地根源」を見ており、それを今日でいう大「自然」と見て取っていいという。そしてそこから次々に神々が生まれるが、その神々は、「生す」の神々で、生物が生まれていく過程を示し、人類誕生の過程を示しているという。つまり西洋のような、神が自然を生んだのではなく、自然が神々を生んだというのだ。そこが、他の宗教にないことだと指摘している。たしかにこの解釈は、簡単に見えるが、これまでの神話解釈になかったものだ。これまでは「天と地が分かれて天之御中神が最初の神で、その前は、何もなかったと解釈されてきた。
 ユダヤーキリスト教のような、一神の人格神ではなく、自然を神と見るこの日本人は、そこに畏敬の念をもつたという。近代科学が、宇宙の発生も、細胞の発生も未だに解明できないでいることを、すでに『古事記』の中で見て取り、そこに信仰心をもって対したのが日本人だという。近代のアインシュタインが、そこに「宗教心」を感じたことと同じだというのだ。そして日本の皇室も、自然から生まれた人間社会の必然的な形だと述べている。これまでいろいろな神話解釈がされたが、自然神信仰から天皇信仰が生まれたとするのは初めてである。それを日本人は「お天道様」と呼んできたという。
 その他にさ迷うユダヤ人から生まれた一神教の神は、フィクションであり、虚構である、と言えるのはこうした自然信仰をもつ日本人だけだという。仏教も儒教も、日本に来ると自然信仰を基礎とするようになり、神仏習合もそこから生まれた。神道は共同宗教であり、仏教は個人宗教であるから、習合できるという。そういえば神社には樹木があり、そこが自然の空間になっており、そこで共同で祭りを行うのも、そのことを示している。他方、寺院では人間もあくまでその延長上にとらえ、仏像があり、個人の悟りを求める。それが神仏習合の真の意味だとする。

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