超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会 の感想
参照データ
タイトル | 超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ラメズ・ナム |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309906980 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 科学読み物 |
購入者の感想
いつでもタイムマシンで未来を覗き見れば衝撃をうけるものです。変化に衝撃を感じる時間差はどんどん短くなり、私たちの世代では、子供時代の自分には今の生活が想像できなくなってしまいました。知人に紹介されなければ手にとらなかったであろうかなりあやしい雰囲気の漂うタイトル・装丁ですが、中身は純粋な科学・技術の話です。
この本を読んで決定的に認識を変えたのは、人間の能力の限界についての思い込みです。科学も技術も、それを認知する人間の能力を超えることはできない、そして能力の向上はDNAアーキテクチャー上での進化のスピードに制約されている、と今まで理解してきましたが、認知する能力自体も技術的に増強可能と知ることは衝撃でした。
前半のバイオ関係の話は、新しい知識満載でした。「治療と増強の間にはっきりした境界はない」という著者の認識は説得力があります。治療のために正当化される全ての技術革新が能力増強に転用されるのは不可避だという主張です。ついに、人類は、世代単位の進化アーキテクチャーを超えて、一世代内での進化の手段に手が届いてしまいました。いずれ「世代」という概念も変わってしまうでしょう。今までの戦争は、ある意味で「誰が次の世代を残す権利をつかむか」が争点だったのでしょうが、未来では「どの世代が残るべきか」の世代間戦争の可能性まででてきそうです。
技術の紹介だけでなく、最後に語られる著者の私見は参考になるものでした。今回の技術革新だけが今までとは質的に違った恐ろしいもの、ではなくて、既に人類は何度もルビコン川を渡ってきたということ、それこそが人類の本質なのだという主張は明快でした。
この本を読んで決定的に認識を変えたのは、人間の能力の限界についての思い込みです。科学も技術も、それを認知する人間の能力を超えることはできない、そして能力の向上はDNAアーキテクチャー上での進化のスピードに制約されている、と今まで理解してきましたが、認知する能力自体も技術的に増強可能と知ることは衝撃でした。
前半のバイオ関係の話は、新しい知識満載でした。「治療と増強の間にはっきりした境界はない」という著者の認識は説得力があります。治療のために正当化される全ての技術革新が能力増強に転用されるのは不可避だという主張です。ついに、人類は、世代単位の進化アーキテクチャーを超えて、一世代内での進化の手段に手が届いてしまいました。いずれ「世代」という概念も変わってしまうでしょう。今までの戦争は、ある意味で「誰が次の世代を残す権利をつかむか」が争点だったのでしょうが、未来では「どの世代が残るべきか」の世代間戦争の可能性まででてきそうです。
技術の紹介だけでなく、最後に語られる著者の私見は参考になるものでした。今回の技術革新だけが今までとは質的に違った恐ろしいもの、ではなくて、既に人類は何度もルビコン川を渡ってきたということ、それこそが人類の本質なのだという主張は明快でした。