高倉健インタヴューズ の感想
参照データ
タイトル | 高倉健インタヴューズ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 野地 秩嘉 |
販売元 | プレジデント社 |
JANコード | 9784833420174 |
カテゴリ | ジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇 |
購入者の感想
『キャンティ物語』のノンフィクション作家・野地秩嘉(のじ・つねよし)が18年をかけて編んだ実直な力作だ。
本を開くと、十文字美信が撮影した総扉のアップ写真に圧倒される。手抜きなしで生きてきた男の顔だ。81歳になる俳優・高倉健が、いかにしてこの表情を獲得したのか。本書はその具体的な証言集である。
著者が健さんから話を聞いたのは『鉄道員 ぽっぽや』『ホタル』『単騎、千里を走る。』『あなたへ』の製作期間に当たる1995年から2012年まで。ほとんど撮影現場での取材だったという。
本人以外にも小林稔侍、降旗康男、元東映社長・高岩淡、カメラマン・木村大作、録音技師・紅谷愃一(べにたに・せんいち)、宇崎竜童らの話を取り上げることで、健さんの人間像が多面的に浮かび上がっている。
一番好きな俳優。一本は11回も観たという衝撃を受けた二本の映画。俳優を目指した頃の逸話。東映仁侠映画をはじめ『冬の華』『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』『居酒屋兆治』『ブラック・レイン』『あ・うん』など出演作への想いや裏話。『運動靴と赤い金魚』『ディープ・インパクト』『あの子を探して』『ベスト・キッド』『波止場』といった海外作品にも言及している。まさにファン垂涎の内容だ。
意外なのは出演作を選ぶ基準。少なからず驚き、理由を知って納得するだろう。著者の地の文のなかでは健さんの演技の特徴を分析・解説した章が興味深い。40年もの間、健さんが映画スターとして第一線を走り続けていることに合点がいき、その存在の大きさに改めて感謝したくなる一冊。
読後、健さんの出演作を観直せば、きっと新しい発見があるはずだ。
本を開くと、十文字美信が撮影した総扉のアップ写真に圧倒される。手抜きなしで生きてきた男の顔だ。81歳になる俳優・高倉健が、いかにしてこの表情を獲得したのか。本書はその具体的な証言集である。
著者が健さんから話を聞いたのは『鉄道員 ぽっぽや』『ホタル』『単騎、千里を走る。』『あなたへ』の製作期間に当たる1995年から2012年まで。ほとんど撮影現場での取材だったという。
本人以外にも小林稔侍、降旗康男、元東映社長・高岩淡、カメラマン・木村大作、録音技師・紅谷愃一(べにたに・せんいち)、宇崎竜童らの話を取り上げることで、健さんの人間像が多面的に浮かび上がっている。
一番好きな俳優。一本は11回も観たという衝撃を受けた二本の映画。俳優を目指した頃の逸話。東映仁侠映画をはじめ『冬の華』『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』『居酒屋兆治』『ブラック・レイン』『あ・うん』など出演作への想いや裏話。『運動靴と赤い金魚』『ディープ・インパクト』『あの子を探して』『ベスト・キッド』『波止場』といった海外作品にも言及している。まさにファン垂涎の内容だ。
意外なのは出演作を選ぶ基準。少なからず驚き、理由を知って納得するだろう。著者の地の文のなかでは健さんの演技の特徴を分析・解説した章が興味深い。40年もの間、健さんが映画スターとして第一線を走り続けていることに合点がいき、その存在の大きさに改めて感謝したくなる一冊。
読後、健さんの出演作を観直せば、きっと新しい発見があるはずだ。
高倉健さんのインタビューを集めた本で、おそらくこの本は決定版だと思う。非常に面白く、かつ奥深い内容だった。そして、彼の人間性の素晴らしさだけではなく、その言葉一つ一つの素晴らしさが伝わる内容だった。
例えば、
セリフのうまい下手よりも大切な事があるのです。(略)
本当に嬉しい、もしくは悲しいと感じたとき、人は「嬉しい」とか「悲しい」なんて言葉を口にするのでしょうか。僕はしないと思う。声も出ないんじゃないかな。
優れた脚本家は言葉で悲しさを表現するのではなく、設定で表現するのですよ。
仕事を決めるにはまずホン(脚本)を読みます。ホンのなかに一言でもいいから、ゾクゾクっとくるセリフがあればやることにしています。
人生に取って大切なものはたったひとつ。心です。
などなど。一言で語るのは難しい本ですが、本当に心が動かされるエピソードも多数入っています。
特に最後のあとがきの部分は圧巻。
是非、興味を持った方がいらしたら、日本が生んだ超一流の俳優の言葉に触れていただきたい。
例えば、
セリフのうまい下手よりも大切な事があるのです。(略)
本当に嬉しい、もしくは悲しいと感じたとき、人は「嬉しい」とか「悲しい」なんて言葉を口にするのでしょうか。僕はしないと思う。声も出ないんじゃないかな。
優れた脚本家は言葉で悲しさを表現するのではなく、設定で表現するのですよ。
仕事を決めるにはまずホン(脚本)を読みます。ホンのなかに一言でもいいから、ゾクゾクっとくるセリフがあればやることにしています。
人生に取って大切なものはたったひとつ。心です。
などなど。一言で語るのは難しい本ですが、本当に心が動かされるエピソードも多数入っています。
特に最後のあとがきの部分は圧巻。
是非、興味を持った方がいらしたら、日本が生んだ超一流の俳優の言葉に触れていただきたい。