カウントダウン・メルトダウン 上 の感想

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タイトルカウントダウン・メルトダウン 上
発売日販売日未定
製作者船橋 洋一
販売元文藝春秋
JANコード9784163761503
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

私は民主党を嫌悪する点では人後に落ちないつもりであるが、そんな私でさえ、原発事故に際しての管元首相の対応に向けられた各方面からの過度の批判には非常に違和感を覚えていた。未曽有の、想定外の大惨事に直面し、判断材料となる正確な情報がほとんど入手できない状況で、一定程度の混乱を生じることなく陣頭指揮を執れる人間などいまい。

例えば、ヘリでの現地視察がやり玉に挙がったが、これはそんなに愚かな行為なのか? 
視察により生じたとされる「遅れ」など、保安院の担当者4人が現地から早々に逃げ出すという行為の招いたネガティブ・インパクトに比べれば微々たるものではないか(この「敵前逃亡」した4人に関しては、役所の論理で何のお咎めもなかったようだが、実名を出して社会的に制裁を加えるに値するほどの国賊的行為であろう)。視察をしなければしないで、「現地を見もしないのか」と批判されたであろうことは容易に想像がつく。

東電の本社に乗り込み「撤退は許さない」と演説をぶったことも批判の対象となっているが、何がいけないのか? 
組織防衛のためには平気でうそを言い、事実を隠蔽し続ける東電という会社の「撤退など口にしたことがない」とする主張を本気で信じようとする人がいるから驚きである。事故発生後、いの一番に社員の家族を(地元住民には何も知らせずに)避難させ、現地の東電の社宅から真っ先に人がいなくなったという事実から見えてくるのは、同社の傲慢で鼻持ちならない体質に他ならない。国家を危機的な状況に陥れた加害者でありながら、責任を感じることなくわが身の安全を最優先させる組織に対して、「逃げるな」と迫ることが間違っていようはずがない。

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