僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない (PHP新書) の感想

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参照データ

タイトル僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない (PHP新書)
発売日販売日未定
製作者岡田 斗司夫 FREEex
販売元PHP研究所
JANコード9784569821214
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

「利他に幸せを感じる生き方」と主張している著者自身は、そうしたボランティア(どころか会費取って)を集めて自分の為に働かせ利益を得るビジネスモデルで食べている訳で、「ありがとう」を糧に生きて行けるかのような某居酒屋チェーン会長の主張と、実は全く同じなのです。著者の運営する有料サイトの入会体験など見れば、本書の主張の破綻と欺瞞は判ると思いますが。

つまり今回、著者は「就職に関して不安になっている人々」をターゲットに定めた訳で、岡田氏独特のレトリックで彼らに心地よい自己弁護の理屈と安心を提供する・・・というのが本書です。(と同時に、彼の顧客になりそうな人物を効率的にフィルタリングする有料パンフレット的色彩もありますw)

宝くじを買って「発表までワクワク過ごす時間を買う」という娯楽もあるので、不安な人がファンタジーとして一時この本で心地良くなっちゃっても別に構わないとは思いますが、「真に受けて」行動に移した結果は、おそらく夢見てギャンブルに全ツッコミみたいな結末ではないでしょうか。そして、それは著者は「知ったこっちゃない」んだと思います。

日本の就職・労働環境について書いた本。

 本の前半は、「なるほどなー。そういう考え方もあるか」と思う点、「その通りだ」と思う点が何点かありました。具体的に言えば、

・大学生の1割が就職できないなんて、異常事態である
・仕事の絶対量が減っている
・企業の寿命は7年
・商売がうまくいかないのは、人口が減っているから当たり前
・仕事は忙しいが、人は来ない
・企業は採用活動はしているが、即戦力しか興味がない
・海外へのアウトソーシングの弊害
・ITが仕事を奪った
・今は、やっとこさ自分を食べさせるだけで手いっぱいという時代

 この辺りの事情は、まったくその通りだと思います。私は、一応事務屋の端くれですので、まざまざと従来の仕事が変化しているところを見せつけられています。例えば、今後10年で給与計算で食べていた人はほぼ絶滅するのではないか、とすら思っています(経理でないので、勝手な憶測であることを願いますが)。クラウド等を使ったサービスを利用すれば、中小企業であれば従来型のアウトソーシングすら不要になりそうだからです。となると、何かあった時に責任を取る+税理士さんと交渉する人が1人いれば経理はすべて終わることになります。パートさんすら不要です。

 これって、会社、経営者にとっては良いことでしょうが、経理部、就活生にとっては死活問題です。大体、経理の方の首を切るのは申し訳ないので、経理の方が会社を辞めるのをまってアウトソーシングという形が多いのですが、そうなれば新人は入ってくることがありません。アウトソーシングしてしまえば、人はいらないからです。

 一方で、アウトソーシングしているところがその分日本人を1人雇うかといえば、そのようなことはありません。なぜなら、人を雇うよりアウトソーシングした方が利益が出なければ商売にならないからです。

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