はんだくん 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス) の感想

長崎の五島で暮らす書道家・半田先生と島民の交流を描く“ヒートアイランドコメディ”「ばらかもん」のスピンオフコミック。本作では高校時代の半田先生の学園生活が描かれるわけなのだけど、読む前にはひとつの懸念があり、というのも「ばらかもん」の特に初期を読む限り半田先生の学生時代って余り楽しそうなものに思えず、下手すると「ばらかもん」とは似ても似つかぬ、孤独な天才の砂を噛むような青春の苦悩が描かれるんじゃないか、8巻に載っていた本作の予告もそんな感じだったしな・・・などと不安に思っていた訳ですが。まあ結論を述べると・・・「全部思い込みだったのかよ！」と。心の中で突っ込んでしまいましたよ。
という事で、勘違いしまくる半田くんと個性的で暴走気味のクラスメイトたちが織り成す愉快な学園コメディとなっております。「ばらかもん」の時からヨシノ先生の笑いのセンスはかなり優れていると思っていましたが、其方にある悩みとか成長といった人間ドラマを排しギャグに特化したことで一層の冴えをみせてるんじゃないでしょうか。これだけ笑える漫画は久しぶりに読みました。
スピンオフ作品ですが、本家との直接的な関連は薄いので「ばらかもん」未読でも全く問題なく楽しめるでしょう。本作を読んで気にった人なら「ばらかもん」も間違いなく楽しめると思いますのでお勧めです。
あとはカバーを外したところにもオマケ漫画があり、本家ファンには嬉しいサービスとなっております。