ロスジェネの逆襲 の感想

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参照データ

タイトルロスジェネの逆襲
発売日2013-08-23
製作者池井戸 潤
販売元ダイヤモンド社
JANコード登録されていません
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購入者の感想

「ロスジェネの逆襲」というタイトルがすこぶる小気味よく響き渡ってきます。
このタイトルを見ただけで、購読意欲をかきたてられます。
そして、してやったり。
倍返しの“半沢シリーズ”であることで痛快さも倍増します。
冒頭から勢いよく、前へとスピードアップしながらストーリーが突き進んでいきます。
団塊世代、バブル世代、そしてロスジェネ世代とはいったい何なのかを語っていきます。
これら3つに分けられた世代を分析しながらストーリーが展開します。
置かれた環境により考え方が違っていることを考えさせられます。
総論としては、自身の成果のためではないこと。
会社組織、さらには社会のために自身がどのような立ち位置でどのように貢献し得るのか。
それが3つの世代を超えた共通点だと力説しています。
それとロスジェネ世代は決して悲観することではないこと。
正しいとするものを自信を持って正しく行動することで、しっかりと評価されるのです。

オリジナルは、2012年6月29日リリース。電子書籍は、2013年8月23日リリース。本日、TVドラマの最終話がリリースされる『半沢直樹』シリーズの第3作。このシリーズ、ぼく自身が銀行員で、自分の生きている世界なので、ああいうことはしょっちゅうだ、とかああいうやついるなぁ、とか、あれはありえない、とか職場でも、感想が様々で面白い。つまり、みんな観ている。作者の池井戸潤さんも元々銀行員だったようなので、筆にも力が入っているのが感じられる。

で、ここまでの半沢直樹で感心したシーンを書いてみると、

・実際の工場の現場に出向き、そこで創られているモノについて語り、融資に尽力するシーン

これは、冒頭で、出ててきたが、工場が運転資金に困り、その融資条件に半沢直樹が社長に技術を持った熟練工の解雇をあげ、社長が断るシーン。その後、部品についてきちんと技術を理解し、社長を褒めるシーン。これはかなり感動的で、金融マンとしてあるべき姿を示したシーンだ。例えば、プレス技術に冷間鍛造プレスというものがあるが、こういった技術面まで完璧に理解しようとしている金融マンはなかなかいない。しかし、そこを知っていて話をしているか、は優良企業開拓には欠かせない点だ。実際、中小企業の技術的レベルは非常に高く、ぼくも何度も工場で感心した記憶がある。ある意味、とても懐かしいシーンだった。

・壇蜜にネイル・サロンの起案書を作成し、渡すシーン

これも金融マンにはキュンとくるシーンだった。多くの手に職を持つ人達は、資金繰りや自分のやろうとしている職種にどんな制度融資や利子補給制度があるか、など知らない。様々な職種を横断的に担当している金融マンだけが、それを経験しているのだ。その起案書を顧客のために作成できる金融マンこそ、真の金融マンだ。半沢直樹は壇蜜に金融マンとしての気持ちで勝負したシーンで非常に印象に残る。

と言った感じである。

kindle予測時間3時間48分。読書時間は3時間半でした。
頭の中に堺雅人が湧いてくる。
ドラマの影響ですね。はまり役なんでしょう、違和感はないですね。
すかっと逆転、倍返しでした。

前作のエンディングで、証券子会社への異動(出向)を命令された半沢。
銀行から一度出ると戻るには困難を極めるという状況下の中、半沢はまたトラブルに!!

この証券会社ではロスジェネ世代の燻り、出向職員とプロパーとの軋轢。
そんな中、IT企業の「電脳雑技集団」が「東京スパイラル」を買収しようと
半沢の居る証券会社へ持ち込まれるのだが、それを親会社である銀行が横取りする。

銀行の動きに疑問を感じた半沢が背景を探るうちにある闇に気が付き・・。
親会社が「電脳雑技集団」の、子会社が「東京スパイラル」の相談役として就任する事態に!
まさに親に噛み付く子の構図です。

まぁ、後は本を読んでからのお楽しみ・・ですが、何処に行っても半沢の精神は変わらず
読んでいて痛快。燻っていたロスジェネ世代の能力の高さを見込んでサラッと大きな仕事を任せたり、
こんな上司が居たら大変だけど、付いて行っちゃうなと思わせる「人間としての半沢」がより濃くでた作品ではないでしょうか。

次回作「イカロスの銀翼」(週刊ダイヤモンドで連載中♪)では"霞ヶ関の刺客"と対峙します。
どんな試練と、どんな倍返しなのか!!期待して発売を待っています。

「週刊ダイヤモンド」の史上初の巻頭小説であり、
「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」に続く3部作目のフィクション企業小説である。

全てに共通するのは、主人公 半沢というバブル世代の銀行員が、
銀行という実力無視の理不尽な組織に対して、高い志のもと、その組織と戦う様である。

それは、実力主義が声高く叫ばれ始めたロスジェネ世代にあって、
未だに実力主義が浸透しない、実力とは無縁な、理不尽な人事評価が通用する、
現派閥組織を含む大手上場企業への警鐘といえる。

それでも、この小説の中では、批判といった口先だけでなく、自ら実践する半沢を正当に評価する上司の存在があり、
読後は気持ちよく、読者を勇気づけるのが救いである。

この3部作目では、
「おい、そこの日本の大手管理職さんよ!、仕事をみずに、人(事)をみてねえか?、
仕事ありきのはずが、人ありきになってねえか?、目的と手段を取り違えてねえか?、
今、まさにお前が部下の成長を阻んでいないか?」、
また一方で、
「おい、そこの新人さんよ!、仕事を見ずに(消費者や顧客をみずに)、上司の背中をみてねえか?」、
といった「仕事の本質」を気付かせてくれるでしょう。

半沢のような高い志を持つ者が評価される時代でないのも、日本の企業や政治を堕落させている原因、
更には日本の悪い風習とさえ感じさせます。
ぜひ組織に属する方、本書を手に取って、半沢の志に触れて、今一度考えてみて下さい。遅くはないはずです。

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