悩むが花―大人の人生相談 の感想

伊集院静さんのことは、テレビ番組「情熱大陸」の密着取材を見てからずっと気になっていたのですが、実際には著書を手にとる機会がこれまでありませんでした。
この本はある昼休みにたまたま近くの書店に立ち寄り平積みされているのを見かけて知りました。
一般人のお悩みに小気味いい伊集院静節で、甘っちょろい悩みにはズバリ！と真のある回答を、切実な悩みには大きな懐に包み込むような温かみのある言葉を返しています。
中でも、大手金融という職場でこの業界が社会に及ぼしている影響に疑問を持ち始めていた私には、「銀行家、株屋、投資家なんて大半はまともな顔をしとらん」といった内容の回答には衝撃を受けました。まさに私が感じていた通りの言葉だったからです。
金融の存在感や力が必要以上に大きくなってしまっている今、それをなんの躊躇もなく公言してしまえる彼はやっぱり凄いです。
さまざまな悩みの回答集であるこの本の中になら、心に深く響く一文を多くの人が見つけられるのでしょうか。
すぐにではないですが、私はこの業界を離れる準備に本格的に着手し始めました。
決断できてホントに良かったです。
ほぼ固まりかけてはいましたが、大きな決断を後押ししてくれた本という意味で、★一つ多い評価になってしまっているかもしれませんがご了承ください。
近々時間を見つけてゆっくり彼の本を読むことになるでしょうが、私にとってはそのきっかけになった一冊でもあります。