細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本! の感想

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有名予備校講師による「頭の使い方」の本。

　タイトルには「数学的思考力」とあるが、どちらかと言うと「論理的」「合理的」思考とでも呼ぶ方がしっくり来る
（但し、論理的思考の訓練のためには数学が格好の題材であることは論を待たない）。
即ち、数学や物理のような、暗記「だけ」では点数が伸びない科目を苦手としている学生や、
数学そのものではないが論理的思考を要求される法律やプログラミングなどをこれから学ぼうという人には役に立つところもあるだろう
（法曹志望者が数学を勉強することの意義は本文中でも指摘されている）。
それに対し、数学そのものをより深く理解したいと考えているような人が読む場合、必ずしも役に立つとは限らないのではないか。
　また、本書で提唱されている、
「分かること＝説明できること」「ジグソーパズルのピースを頭の中で繋ぎ合わせる」「事象の全体を見る」といった「頭の使い方」は、
ある程度の能力を持つ人物なら勉強する過程で自ら気付いて身に着けるものだろう。

　学生・社会人のどちらにも役立つように、「論理的思考」が重要かつ有効であることを分かり易く記した本ではあるが、
どちらかと言うと、これまで暗記中心の勉強をしてきた人・要領の悪さを克服したい人のための本であるように思われる。