羊の目 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル羊の目 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者伊集院 静
販売元文藝春秋
JANコード9784167546151
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

一人の侠客神崎武美の壮絶な人生を描いた長編小説。彼の行動の根底にあるのは自分を育ててくれた「父」への忠誠である。実際にはその「父」辰三は、自分のみを守るために武美を見放したり、売ったりするのだが、武美の人生は辰三への恩義が全ての人生なのである。
夜鷹の母が武美を産み落とし、辰三に託すまでの冒頭の短編「牡丹の女」は人物描写も繊細で、今後の展開を期待させる傑作なのだが、そこから先は、どうも作者の筆があらすじをなぞらえるばかりで、表現も直接的で乏しい。もっと丁寧に丁寧に描いていけば、読み応えのある大作になったと思うのに、残念。

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