日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社プラスアルファ新書) の感想

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タイトル日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体 (講談社プラスアルファ新書)
発売日販売日未定
製作者深尾 葉子
販売元講談社
JANコード9784062727969
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 女性学

購入者の感想

現代の日本社会には男性を搾取して弱らせている「タガメ女」なるものが存在する。
彼女達は巧みに男性を捕まえて専業主婦という地位に収まり、
その後は様々な約束で夫を箍(たが)にハメては、わずかな小遣いで働かせる。

タガメ女の餌食であるカエル男は、その状況を息苦しく感じながらも、
自分は妻と家族を愛していると思いこまされ、
自分たちは幸せな家族なのだという幻想を抱きながら、
職場の机に家族の写真を飾り、カエルコールにいそしむ。
しかしそのストレスはカエル男の部下や周囲の女性に対する
ハラスメントという形でまき散らされる。

またタガメ女自身も、地位の安定した男性と結婚して専業主婦になることが女の幸せなのだという
幻想の箍に縛られているため、
本当に心から幸せを感じているわけではなく、
そのストレスがママ友同士の諍いや子供の虐待につながっている。

軽い筆致で書かれているが、本書は現代社会の極めて重大な問題を提起している。
それは標準化された「幸せ」の形式を盲信することの危険性である。
著者はそれを「魂の植民地化」と呼ぶ。
「エリートとの結婚」、「郊外の一戸建て」、「年に一度の海外旅行」などなど。
標準化された「幸せ」の強迫は、それを手に入れていない人だけではなく
それを手に入れた人をも不幸にしている。

この問題の解決にはこれこれをしなさい、と書いていれば
本書はごまんとある平凡な自己啓発本や宗教書と変わらないものになっただろう。
そうしなかったところに著者の誠実さが現れている。
著者は問題の答えは読者が自分で考えて出せ、という。
お仕着せの価値観に振り回されるな、と。

とても良い本であるが、データの提示の仕方には雑なところもある。
たとえばタガメ女が有害であることの根拠として男性の自殺率の高さ、
離婚率の高さなどをあげているが、
自殺や離婚している男性のうちのどれだけが専業主婦を妻に持つ夫なのかが
示されていない。

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