英語国民の頭の中の研究 の感想

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タイトル英語国民の頭の中の研究
発売日販売日未定
製作者副島 隆彦
販売元PHP研究所
JANコード9784569821221
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 英語 » 英文法・語法

購入者の感想

反英文法とも言える内容で、学校英語とは異なるアプローチで英語をとらえており、非常に参考になることが多い。Thisが副詞だろうということは私もそのように考えていたので、著者が同じ意見を唱えられていて嬉しかった。

しかしながら、これは通常の学校文法をきちんと学んだ人にこそおすすめしたい。違う視点で英語を捉えることにつながり、英語への理解が深まるはずだからだ。一方でこの本から英語をスタートするのは、私には毒になるように思える。ひとつは、ニュアンス的というかナラティブ的な説明が多く、ある程度英語に精通している人でないと著者の言いたいことがうまくつかめず余計に混乱してしまうという危惧から。もう一つは、この本で著者はすべての文法項目について触れているわけではないからである。副島氏がここで触れられていない項目についても網羅的に体系的に文法解説するのであれば、すべての学習者にとって有益になるものとなるに違いない。

P33の’Bの例文は誤り。wasの後にwalkingが来るか、walkingを削除するかが正解であろう。

自動詞・他動詞についてはいろいろな考え方ができると思う。例えば私は自動詞とか他動詞で区分けして考えるのではなく、自動詞は単に意味の弱い動詞であるような気がする。talk to やtalk aboutはその前置詞があることによって意味がはっきりする。toがあればtoの後の対象に対して話すこと、aboutであればaboutの後の話題について話すことであり、前置詞があることで意味が明確になり、すなわち逆に捉えると、自動詞とされている動詞はそれだけ意味の幅が広いといえると考える。know of(about) him と know himはof(about)がある方が彼についてよく知っているということになるようだが、それもknowを自動詞の場合と他動詞の場合というように考えるのではなく、know

副島さんの構文は、日本の論壇で最も秀逸である。本書の論点で最重要なのは世界語の中の日本語として、それを英語の原語でもあるラテン語(ドイツ語とフランス語が混合語である英語の主要構成要素)などとの統一的観察をする重要性を説いている以下のテーゼである。ここに今迄持続しているとんでも外国語教育の病根が副島さんに依って見事に我々の自覚にもたらされる。

副島さん:ヨーロッパ文法理論と日本国文法の統一的観察という観点は故意に消滅させられて、現在の様な、日本人の為だけの、日本人にしか理解できない、日本語で書かれた、愚かきわまりない『日本国文法』となりはてたのである。(205ページ)

副島さんの英語の構造分析で最重要なのが、存在を規定するbeが英語の土台であるという指摘である。また、副島さんが主体/主語を省略しない逃げない文体を評価される理由は、実は英語研究から来ていた。『Yes, I am.』が英語での最重要の思想であり、あらゆる個人の文で仮令他者に言及していても、そのフルコンテクストを析出すると間違いなく100%、主語は常に自分なのである。言語使用の即時的な段階において、潜在意識において、我々の構文は主語は私なのである。そして、その構造において英語と日本語を比較すると最も共通性があり、多くの構造上の謎が解明できるということである。ここがとにかく凄い!本書の独自性である!副島さんは、ここで単に発声された文や、筆記された文を完全な文としていないことを理解しないとこの命題の深さが分からない。そこで、副島さんは常に主体を自分、私、Iとして構文することを提言されている。以下の命題に本書の英語研究の精華が凝縮されている。

副島さん:私たちは常に『私は』『私は』と『主体=主語』subjectを文章の頭にもってきてしゃべるべきである。この考え方が英語国民の頭の仕組みそのものでもあるのだ。(24ページ)

本書は全日本国民必読の書です。

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