基本刑法II—各論 の感想

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参照データ

タイトル基本刑法II—各論
発売日販売日未定
製作者大塚 裕史
販売元日本評論社
JANコード9784535520479
カテゴリ社会・政治 » 法律 » 司法・裁判 » 刑法・訴訟法

購入者の感想

試験を意識して書かれているのは、総論と同じです。判例の分析も丁寧で学説と判例の相違点についても具体例を示しながら説明されており、先生方の腐心ぶりが窺われます。
刑法各論は総論の知識が前提とされているので、総論と各論を並行して学ぶことは(一部の書籍で推奨されているようですが)、無理であり、その点は、本書も変わりません。
総論に比べて理論面が丁寧なので司法試験に限らず学部試験においても有用だと思いますが、唯一の欠点は古いことです。ホームページで一部補遺が出されていますが、裁判例の補完は行われていないため、そこは他書にて補う必要があります。

司法試験等の受験生が刑法を学習しようとすると、学者の書いた概説書である基本書か、司法試験予備校が作成した参考書である予備校本を読むことになる。しかし、基本書は緻密で正確な反面、学者独自の学術的見解が前面に出てきており、実務における刑法を学習したい受験生には読みにくい。また、予備校本は要点がコンパクトにまとめられているものの、内容が浅く記述の正確性にも不安がある。結局、どちらも学習には使いにくい。
この点、本書は、実務刑法を理解させるという教育目的達成に向けて、法科大学院での指導経験を持つ学者が執筆している。そのため、実務における刑法を学者の緻密な記述で理解できる。学者が本気で教育にのりだすとこんなに素晴らしい本ができるのかと驚かされる内容である。
以下に本書の特徴を列挙しておく。
(1)各犯罪ごとに、条文→解説という体裁をとる。
(2)特に受験上の重要犯罪は、条文→保護法益や行為、客体等構成要件の概略解説→論点解説という形をとり、犯罪の概略を掴んでから論点を掘り下げ学習できるようになっている。そのため、何が論点でそれが体系のどこに位置づけられるのか把握しやすい。
(3)条文の文言にはアンダーラインが引いてあり、どの文言にどんな論点があるか解るようになっている。
(4)判例の立場を理解させるということが中心に据えてあり、学説は判例を理解させるための手段として解説されている。理由づけも、結果無価値や行為無価値といった特定の立場からのものではないので理解しやすい。
(5)設例を頻繁に設けて、具体的に理解できるように配慮している。
(6)受験生が誤解しやすい部分については別枠で丁寧な補足がつけられている。

全体的に判例に沿って記載されている点は、GOOD。
しかし、執筆者によっては、くどい説明、あれ?という記述も目立つ。
したがって、つまみぐい、辞書的な使い方の方がよい。
絶対に読んでおきたいのは、大塚先生の担当部分。大塚先生の執筆部分
は素晴らしいの一言。論理的、試験向きかつ分かりやすい文章だと感じた。
読めば理解が進むことは間違いない。
大塚先生お一人が執筆された思考方法の教科書の方が絶対に有用。この
本も大塚先生お一人に執筆して頂きたいと強く思う。
豊田先生、十河先生、塩谷先生の執筆部分は別に読まなくても良い。この
部分は、西田先生の刑法各論と大塚先生の単独著書の思考方法で勉強したほうが
絶対に有益だと思う。この3人が書いた部分なら、他の基本書と変わらない。
財産犯部分は、リーガルクエスト刑法各論もためになり、分かりやすい。

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