ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~ の感想

一曲一曲原曲に対して真剣に向き合っている感じがしたのが印象的な、
原点になったような曲を集めた、2014年、カバーアルバム。
音源がレコードからCDに入れ替わった80年代後半頃、ロックはデジタルなCDが、
歌謡曲はアナログが合うとか、そんな話がよくされましたが。

噂の女、レコードが合いますねー
ウォンテッドも。
東京砂漠やペッパー警部(特にイントロ)のカバーなんかも聞いてみたくなりました。

声の感じも違って聞こえてインパクトがあるのは真赤な太陽、
あまり聞いたことがなかった(あがた森魚さんごめんなさい)
百合コレクションが個人的には印象に残りましたが、
あの日に帰りたいは、イントロの楽器がCDよりはっきり聞こえるような。

全体に聞きやすい音ですが、原曲は歌謡曲が多いので、
製作やスタッフさんなどオール日本で仕上げても、また違った感じになったかもですが、
おまえがパラダイスやさらばシベリア鉄道、人形の家など、
どの曲もアナログがいい感じで、世代によってもハマる曲は変わるでしょうが、
お勧めは襟裳岬、
聞きやすい夢の途中もいいですね。

アナログは敷居が高いなー、という方にはCDやダウンロードも。
やっぱりアナログで、という方は数が限られるのでお早めに聞いてみてください。

数多のカバーアルバムがリリースされているが、その大多数が「私、歌うまいでしょ？」「俺が唄うと良い曲になるだろぅ？」的な自己顕示欲に溢れた原曲を踏み台にしたような作品が多い中、このアルバムは奇跡的なカバーアルバムに仕上がっていると思います。
原曲のメロディーの秀逸さを伝えるのは他のアーティストでもやってることだが、このアルバムは原曲のもつ「華」を見事に表現しています。しかも、吉井和哉ワールドの重力圏内に引き込みながら…。
何よりも作者の原曲愛が痛い程に伝わってきます。他人の土俵ではなく、あくまでも自作の曲の如く解釈をして、表現していると感じました。

まさしくカバーは、かくあるべし！