半沢直樹 -ディレクターズカット版- DVD-BOX の感想

この作品がドラマ化決定したときに
他の新作ドラマと違い主題歌をアイドルとかが
歌わない＝相棒のようにテーマソングだけで
シンプルにまとめると発表され、
清々しい決断だなと思ったら、それが見事に
大成功でしたね。

ここ最近のドラマは作品イメージに全然似合わない
出演者の誰かが歌った曲を強引に
主題歌とつかうタイアップの色が濃くて
それが逆に作品イメージを台無しにしていることも
多かったのだと、改めてこの作品で
気づかされました・・・。

大変に志の高いドラマだと思いました。
私自身、ネットなどに時間をとられ、テレビを見る時間はかなり少なくなり、また、最近のテレビはつまらないという印象を持っていました。
しかし、この作品にはテレビマンの高い志が強く反映されていると感じられ、テレビにはまだ可能性があるのだと気づかされました。
福沢諭吉の玄孫がプロデューサーだそうですが、福沢諭吉も優秀な遺伝子を残したのだと驚きます。

主役の堺さんをはじめ、俳優陣は本当に素晴らしかったです。
演劇界で活躍する今まであまりテレビに出られなかった方々が、その実力をいかんなく発揮したのも、大変に良かったです。
敵役の面々も、素晴らしい演技で敵役を見事に演じきっていて、感銘を受けました。
半沢を演じる堺さんの表情、セリフにも、堺さんのこれまでの真摯に演技に向き合ってこられた姿勢が反映されている印象があり、大変に心を打たれました。

人間がどうしても関わらざるをえない銀行という存在を、架空の話でありながら、ここまで、深く描いた作品は少ないと思います。
半沢が主張する銀行のあり方は、「理想論に過ぎない」という批判もあると思いますが、私は、半沢の主張に心が温かくなりました。

展開の中には無駄はなく、テンポよく進んでいくのも見ていて好感が持てました。
半沢の激しい戦いの間に挟まれた、半沢家での夫婦のやり取りも、このドラマでは大変に印象深く、いいアクセントになっていたと思います。
毎回ストーリーがよどみなく展開していき、最後は常に痛快で、例えていうと、サッカーで応援しているチームがゴールを決めたような痛快さを毎回感じました。

半沢たちの熱い友情も、印象深いです。特に最終回での描き方は素晴らしかったです。
いいところを挙げると、きりがないのでこのあたりにしておきますが、DVDで何度もみる価値のある作品だと思います。

ラストは、まさに、パート2に繋がる衝撃的なものでした。
パート2が楽しみでなりません。