世界の野菜を旅する (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトル世界の野菜を旅する (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者玉村 豊男
販売元講談社
JANコード9784062880558
カテゴリジャンル別 » 暮らし・健康・子育て » グルメ » グルメエッセー

購入者の感想

長野県東御市で、「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」を経営。そこには、▽外国野菜の栽培農場、▽ブドウを栽培し、その果実でワインを醸造するワイナリー、▽それらの作物を料理として出すカフェがあり、著者は全てのオーナーです。同時に、エッセイスト、画家でもあります。何とも多面的な活躍ですが、その活動は、野菜、とりわけ外国野菜への関心を、中心に大きな円を描いているようです。

様々な外国に旅しているのに驚きます。戦火に晒される前の優雅なベイルートの情景さえあります。旅は、観光よりも、地元のレストランで、地元ワインを飲みながら、伝統料理を美味しく頂くグルメ旅。気になった料理は、何日も通って食べ、現地で料理を学ぶ意欲は旺盛です。メインが魚肉でも、著者の目は、その付け合せの野菜に向かい、こだわりは、使われている野菜です。しかし、珍しい現地料理のグルメ体験談に終わっているわけではありません。帰国後、その野菜の素性を調べ、原産地や地球上の伝播経路を調査。著者の活動は、書斎でのこのような机上調査論では終りません。その野菜の種を、現地で調達。自分の農場で育てて、実際に食べて、カフェの料理に出しています。著者の活動は、野菜を手元で育て収穫し料理する実作業でも終わりません。それらの体験を、文章にまとめて、本書のような出版物にしています。その上、絵も描いています。著者のこのなんともグローバルな活動に、驚かされます。

本書を構成する世界野菜譚で、一番面白かったのは、野菜が、思わぬところで地球規模の歴史上の出来事に、絡んでいる話です。ナポレオンが、対英戦争で、糖分の確保が大事だと考えて、北でも採れる甜菜糖の大量生産を企画したことなど、思いもかけなかった話でした。野菜は思わぬ所で、歴史の流れの契機になっているようです。つい「ヘーエ」と言ってしまう魅惑的な逸話が満載です。

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