魔術師の視線 の感想
参照データ
タイトル | 魔術師の視線 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 本多 孝好 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784104716036 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド |
購入者の感想
ある女性ジャーナリストと超能力少女。ふたりはおたがいに疑い疑われながらも、つぎつぎにおこる危機的な状況からの逃避行をつづける。
そのなかでとくにこの女性ジャーナリストの心理学的な視点から、正しいこととはなにか、正しさとはなにか、なにを疑って、なにを信じればいいのか、ということを問いつづける。これは僕たち読者に向けても問いかけられる。そこんとこちゃんと考えてみようよ、あなたの視点からはどう見えている?というふうに。
登場する人物たちは過去・現在に暗い翳を背負っていて、そこに僕自身共感してしまうのかもしれないが、それでも廻ってくる現代社会の不幸の連鎖はどうやったら断ち切ることができるのか、どこに光を見い出すことで未来につなげていけるのか、そこをきちんと描き切っていることに凄みを感じる。
それに加えて余りあるかのように、著者の独特の言い回しの数々が、とても穏やかで淡々としていて、それでいて心の奥深くまでとどいてくる。
このあとどうなっていくのかというハラハラする展開を織り交ぜて、終始ミステリーの要素を纏っていながら、リズム感のある文体と心の琴線に触れる言葉たちが、心地よく最後まで一気に読ませる作品。
そのなかでとくにこの女性ジャーナリストの心理学的な視点から、正しいこととはなにか、正しさとはなにか、なにを疑って、なにを信じればいいのか、ということを問いつづける。これは僕たち読者に向けても問いかけられる。そこんとこちゃんと考えてみようよ、あなたの視点からはどう見えている?というふうに。
登場する人物たちは過去・現在に暗い翳を背負っていて、そこに僕自身共感してしまうのかもしれないが、それでも廻ってくる現代社会の不幸の連鎖はどうやったら断ち切ることができるのか、どこに光を見い出すことで未来につなげていけるのか、そこをきちんと描き切っていることに凄みを感じる。
それに加えて余りあるかのように、著者の独特の言い回しの数々が、とても穏やかで淡々としていて、それでいて心の奥深くまでとどいてくる。
このあとどうなっていくのかというハラハラする展開を織り交ぜて、終始ミステリーの要素を纏っていながら、リズム感のある文体と心の琴線に触れる言葉たちが、心地よく最後まで一気に読ませる作品。