食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ) の感想
参照データ
タイトル | 食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | エヴァン・D・G・フレイザー |
販売元 | 太田出版 |
JANコード | 9784778313586 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
「世界の人口が増加していることと、それだけの人間を養う食糧を生産するための表土が減少しているということは紛れもない事実である(p52)」
昨今の食糧事情に危機感を抱いた二人の著者が歴史を振り返る。
食糧を得るために人間がとった行動と、それによって引き起こされた事象を、各時代の食に纏わるエピソードを紹介しながら検証する。
天候、気候、土壌と収穫、貯蔵、交易についての史実が語られる。そこにはタフで魅力的な先人たちの姿がある。ビジネスセンスに長けた修道士や不屈の意志をもつ商人たち。ボストン生まれの氷貿易商フレデリック・テューダーの言葉が印象的だ。
「一度の挫折で諦め、二度目の挑戦をせず、成功への希望を捨てる人間は、戦争でも恋愛でも商売でも成功を収めることはこれまでなかったし、現在もないし、また将来もないだろう(P163)」
客観的な事実描写と考察とを、ときにユーモアを交えて語る文体も魅力的。歴史を複眼で見るための知識を与えてくれる良書。
昨今の食糧事情に危機感を抱いた二人の著者が歴史を振り返る。
食糧を得るために人間がとった行動と、それによって引き起こされた事象を、各時代の食に纏わるエピソードを紹介しながら検証する。
天候、気候、土壌と収穫、貯蔵、交易についての史実が語られる。そこにはタフで魅力的な先人たちの姿がある。ビジネスセンスに長けた修道士や不屈の意志をもつ商人たち。ボストン生まれの氷貿易商フレデリック・テューダーの言葉が印象的だ。
「一度の挫折で諦め、二度目の挑戦をせず、成功への希望を捨てる人間は、戦争でも恋愛でも商売でも成功を収めることはこれまでなかったし、現在もないし、また将来もないだろう(P163)」
客観的な事実描写と考察とを、ときにユーモアを交えて語る文体も魅力的。歴史を複眼で見るための知識を与えてくれる良書。