古河公方と伊勢宗瑞 (動乱の東国史) の感想

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参照データ

タイトル古河公方と伊勢宗瑞 (動乱の東国史)
発売日販売日未定
製作者則竹 雄一
販売元吉川弘文館
JANコード9784642064453
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

室町時代の初期から関東公方と関東管領の対立の構図はありましたが、関東管領の領国である西関東と、元々関東に居た武家を中心に古河公方を支持する東関東という区分は新鮮でした。当時はまだ広がっていた内海、香取の海や広大な東京湾の存在を考えれば、内海の向こう側である東関東との間に、こうしたギャップが生まれる素地は十分あったのかもしれません。
また、後世戦国大名の先陣を切ったと言われる北条早雲が、自身では伊勢宗瑞を名乗っていたことに加え、元々幕府に仕える身であったというのも、彼への見方を変えました。先代からの縁で姉が今川家に嫁いでいたことで、内紛収集のために幕府から駿河に派遣されたと考えられ、当時の将軍を支援していた堀越公方を殺した足利茶々丸を討つために伊豆に攻め入ったのも、将軍による復讐戦を代行したとも捉えられます。その後の相模進出も、関東における幕府の代理人だった上杉氏支援とも捉えられるので、彼の領土拡張は、戦国大名として成り上がったというよりも、幕府の代理人として奮戦した結果とも考えられます。
こうした新たな視点はとても新鮮でしたが、逆にそれだけ我々が15世紀後半の東国の歴史を知らないということなのかもしれませんね。

第5代鎌倉公方の足利成氏が鎌倉から古河に本拠を移し、
政氏から高基の3代目までを扱っています。
古河公方と上杉氏の対立、山内上杉氏と扇谷上杉氏の対立、
古河公方政氏と高基の対立と果てしなく戦乱が続きます。
古河公方足利成氏が死に臨んで、子の政氏に遺言した言葉が残っています。
「我れ空く成行くとも。秘計を廻らし敵を打従へ、再び鎌倉に還住し、
関八州を手に属せば、中々無双の孝行なるべし。」
が、古河公方は5代で消滅します。
次から次と対立軸が現れ、小国が相争うルネサンス期のイタリアを見るようです。

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